乙
簡潔にいってしまえば、奴はチキンだ。
これは其の1の次の日くらいの話だ。
奴はものすごーくまいっていた。これは間違いない。
葛藤しまくっていた。つい同情してしまうくらいに、だ。
そんな奴と二人で学校から家路についていた。
「マジどうすっぺ・・・?」
思わず田舎言葉を口走りながら、俺らは必死に考えていた。
その時だ。
俺の頭にたまらなくチキンな考えが浮かんでしまった。
「そうやん!ダメアピールすればええんやって!」
?
つまりはそう。相手に嫌われればいいのだ。
「Q.貴方はあいてのことが嫌いです。自然、どうするでしょう?」
「A.別れる。」
正直我ながらナイスアイディーアだと思った。
これしか奴を救う方法はないとさえ思った。
なんせ奴は変わり者だ。其の1を見ればわかるように日本と韓国の友好関係を気にした男だ。
(たぶん生徒会の会長としての立場も考えてしまったのだろう)
おそらく奴の思考はこう、
自分から振る→告白してソッコーでOKだったはずなのに2日で振られた彼女は傷つく→姉妹校の関係が悪化→ボツ
このまま付き合う→ごめん、無理→ボツ
自分のダメ人間ぶりをアピール→なにコイツ?キショ→振られる→姉妹校の関係は悪化しない→ナイスアイディーア!
もう、俺ら狂喜乱舞
しかし、奴はしばらくすると俺のナイスアイディーアを否定した。
もっと別なやり方があるはず・・・。
アホかと。今更自分の体裁なんか気にするべきではない。
この時から自分のダメっぷりを見せなかったせいで後々にあんなプレゼントが送られてくるんだ。
結局、いい考えが浮かばずアホゥな会話をして俺らは別れた。
そして、プレゼントが送られてきてから数日後、俺は奴に最近電話しているのかと聞いた。
「するわけないじゃん(笑)え?たまにかかってくるけどさ、無視っちゃった(笑)」
き、聞きました!?奥さん!?
もっと別なやり方があるはず、なんて言ってた君はどこへ行ってしまったのか。
むしろ逝ってしまったのか?
俺のチキンな考えよりチキンだ。キング オブ チキンだ。
こうして奴はこの2ヶ月近く彼女の電話を無視し続けた。
そして今、奴のケータイには彼女からの着信音が鳴ることはもう無くなっていた。
俗に言う『自然消滅』とやらだろう。
奴は完全に記憶からこのことを消そうとしている。
「韓国の方はどうなってる?」
と聞いても
「なんのことすか?」
としか返ってこない。
まったくもってヒドイ奴だ。
そういえば、ヒドイで思い出したのだが、俺は同じクラスの女の子に告白されたことがあった。
でも、俺が元カノに振られた時、「このメールを好きな人、○人に送ってネ☆」なんていうチェーンメールをナイスタイミングで送ってくるような人だったから丁重にお断りした。俺の傷に塩盛るなんてヒドイ。
それから何度もメールが来たが正直しんどかったから無視してたなー(笑)ハハハハh
ごめん。僕もチキンだった・・・。
(チキンはチキンと引かれあう・・・。)
完